ドレス一着分の温室効果ガス

ドレス一着分の温室効果ガス
「カーボンニュートラル」という言葉を、聞いたことはあるでしょうか。日本語では「炭素中立」とも訳されますが、温暖化の原因とされる、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出を、全体としてゼロにする取り組みです。世界の主要各国や先進企業がすでに先行しているテーマですが、日本政府も2050年までに、このカーボンニュートラルを達成することを宣言しました。

では、具体的にはどうすればよいのでしょうか。そもそも、身の回りのものを作ったり、買ったり、そして捨てたりするなかで、どのくらいの温室効果ガスが排出されているか、私たちの多くは知りません。そこでCFCLはファーストコレクション VOL.1のローンチにあたり、日本のファッション・アパレル業界では初めての試みとなる、LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施しました。(*1)

LCAとは、ある製品がそのライフサイクル(原料の調達から、廃棄処分されるまで)を通じて、温暖化などの気候変動や生態系など、地球環境にどのくらい影響を与えるのかを、国際規格(ISO140140など)に基づき算出し、可視化する手法です。カーボンニュートラルが目指す脱炭素社会や、循環型社会の実現に向けて、欠かせない一歩となります。

4.99kg-CO2e/1pc

これが、VOL.1で登場したPOTTERY DRESS 1着(重さ約 540 g)あたりの「温室効果ガス排出量」です。温室効果ガスにもいろいろな種類がありますが、それら全てを二酸化炭素に換算した数値として表現するため、「CO2e」という単位を使います。つまり、ドレスの糸をつくる過程から、お客様に長年愛用されて廃棄されるまでに、4.99kgの二酸化炭素を排出していることがわかります。(*2)

実はPOTTERY DRESSには、ゴミになってしまうはずだった約18本分のペットボトルが再利用されています。ペットボトル由来の再生糸を使用すると、石油由来のポリエステル糸で生産した場合に比べ、およそ約50%程度、温室効果ガスが削減されると言われます(*3)。また現在、多くのファッション衣料は、中国や東南アジアで大半が生産されますが、POTTERY DRESSは日本国内でほとんどの工程を終えるため、輸送の面からも温室効果ガスの排出を抑制しています。

CFCLはこの排出量を、日本政府が目指す2050年より20年早い、2030年までに実質ゼロ(つまり、カーボンニュートラルの状態)にすることを目指して、今後ライフサイクルに関わるすべてのサプライヤーやパートナー各社の協力のもと、素材の選定をはじめ、さまざまな取組をしていきます。

2020年、世界の二酸化炭素排出量は、新型コロナウィルスの感染拡大により、第二次世界大戦後で最大の減少幅となりました。しかしカーボンニュートラルの実現には、昨年以上の削減が必要です。これは、ファッション業界ともかけ離れた内容ではありません。これまでの「ラグジュアリー」の意識を再定義しながら、できることから始める必要があります。

「地球に優しい」や「エコ」などの言葉はよく耳にしますが、どこか曖昧です。まずは環境負荷に対する影響を具体的な数値をもって知ることが、現代生活のための衣服を作り、そして届けるブランドとしては欠かせないと考えています。

*1 IDEAv2.3を使用して算定(LCIデータベースIDEA version2.3, 国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門社会とLCA研究グループ, 一般社団法人サステナブル経営推進機構)
*2 参考として、従来のコットンで生産したTシャツ1枚(150g)で、3.4kg-CO2eの温室効果ガスを排出している、という研究結果がある。(「衣類を対象にしたCO2及び水のインベントリ分析」東京都市大学 環境情報学部 環境情報学科 伊坪徳宏研究室)
*3 自社調べ。

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